まちなかアート探索

まちのなかにある美術作品についてあれこれ書きます。主に福岡、ときどき他のまち。

申明銀(シン・ミョンウン) 《Poodle》

福岡の百道浜にはおもしろい現代アートがたくさん!

その中のひとつでかわいくてインパクトのあるものを見つけました。

 

大きなピンク色のプードル!

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風船のようですが風船ではありません。

でもこの風船のような見た目がプードルのふわふわした毛並みを感じさせるような。

 

かわいいプードルのはずなのに、なぜか顔には目や口がなくて犬の愛くるしさはあまりなく、むしろ無機質な物体としての存在感がすごい。

 

遠目に見るとこんな感じ。

風船のような毛玉(?)があちこちに落ちている。

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こんな風に空間を広く使って表現できるのは、美術館ではできない、公共の空間だからこそ。

しかし、せっかく椅子になりそうなちょうどいい毛玉なのに、触ってはいけないとの注意書きがあってもったいないなと(笑)。

 

丸いおしりと丸いしっぽがかわいい。

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ここは百道浜にあるエアロギャラリー・デューンという場所で、このプードルだけではなくいくつかのパブリックアートが展示されています。

 

それにしてもこのプードル、オフィスビル群の中に突如現れるんでびっくり(笑)。

この周辺はカラフルなものがほぼないので、パッと華やかにするためにピンク色にしたのかも。

そして目や口を描かずに無機質な感じにしたのは、こういったオフィスの風景に溶けこませるためなのか、それともあえて余計なものを作りこまずデザインとしてのプードルを強調させたかったのか。

 

作家は申明銀(シン・ミョンウン)さん。1996年の作品。

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この作家さんは韓国出身で、「犬」をテーマにした作品を数多く作っているそうです。

ネットでいろいろ調べていたら、ピンクだけじゃなくいろんな色のプードルを作っていました。犬大好きなんでしょうか……?

 

こういったカラフルポップな作品を見ていると、わたしはなんとなく北欧デザインを連想します。

多くの人に受け入れられやすいかわいいもの。ポップアートやキッチュに近いものがあるのかな。

 

この作品がどういった経緯でここに置かれることになったのかはわかりませんが、1996年に小山登美夫ギャラリーで申明銀さんの展覧会が開催されていたようなので、もしかしたらそのときの作品がここに来たのかもしれません。

 

百道浜は最初に書いたようにパブリックアートが盛りだくさんなので、またちょっと調べたいと思います。